盂蘭盆会
「盂蘭盆」とはサンスクリット語の「ウランバナ」の音写です。「ウランバナ」とは「逆さにつるされた状態」という意味ですが、言い換えれば、正常な状態からひっくり返っていること、すなわち人間として正しい生き方ができていないという状態です。
盂蘭盆会の由来は、『盂蘭盆経』の中に記されています。
釈尊の高弟目連(もくれん)尊者が、亡くなった母が餓鬼道で苦しみを受けていることを知り、神通力で母を助けようとしますが叶わず、釈尊に相談します。すると、釈尊は「7月15日に修行を終える僧侶たちに百味の飲食(おんじき)を捧げるならば、その功徳によって母を救えるだろう」と教えます。
その教えにしたがって目連尊者は善徳を積んで、回向(えこう)供養をしたところ、母は罪から救われたという内容です。
人が道理から脱線する原因は、自己中心的な考え方にあります。ものの見方・考え方が自己中心的であると、やがて、貪りや怒りの心を生み、人と争いを起こします。その心の状態が 「ウランバナ」、つまり「逆さに吊るされるような苦しみ」であるわけです。
立正佼成会の「盂蘭盆会」では、釈尊の高弟である目連尊者の故事を縁として、自分のものの見方・考え方を正して、他と調和した生活をおくること、そして親から子への、いのちのつながりに気づき、先祖への感謝の念を強くすることを大切にしています。